『ん〜?どうしたぁん?』
すっとんきょんな,間抜けとすら思えるノンビリした声が聞こえてきました。
右側から駅員や『私が、私が青年』と『シャッター蹴りおじさん』を私が目指したのにたいして、左側から彼らにやってきた男性が出した声。
『その時』に来たのは私ではなく、別の男性でした。
(今おもうと若干時間がずれてジャストではなかったとおもう)
目をやると、志村ケンのコントにでそうな、コテコテでこっけいなぐらい典型的な工事現場(線路工事?)のおじさんという男性が 『私が、私は青年』に左側から近づきました。
やや毒気を抜かれつつもシャッター蹴りオヤジが口を開きます。
『京都行き臨時列車が来るってぇ聞いて3番ホームにいったらこなくてよぉ・・・』
何か不満を続けようとするシャッター蹴りおじさんの言葉をきいて線路工事のとっつぁんがまたしても間が抜けた声をあげます。
『臨時列車かどうかしらないけどよぅ〜、XX時XX分に三番ホームに来るでよぅ。少し遅れるかもしれないけど、お前らのんびりまってたらどうだぁ〜?』
とっつあんの口調、絶妙でした。
完全に全員の毒を抜かれてしまいました。
のんびりしたテンポで、かつ要点をまとめた内容。
そしてごく常識的な内容。
今まで一つの集合体として出来上がっていた70人のつながりが揺らぎました。
今まで電車が来るということを断言する人間はほとんどいませんでしたが、今回は違います。
断言して、しかもデマの時と違って相手の顔がみえ、落ち着き払った対応です。
彼らがまずほしかったのはまずは密室ともいえる現状の山中のこの駅から抜け出して関西圏にはいける保証だったわけです。
工事のとっつぁんの発言は彼らの願望を満たしていました。
するともう駅員を詰め寄る必要がありません。
え・・・・これで・・・・おしまい?
あまりの急な終焉に呆然とする人たち。
もともとオコボレを狙う目をしていたほぼ大部分の人間はココで散らばってしまいました。
取り巻きたちさえバツが悪そうにゆっくりはなれていきます。
『私が、私は青年』だけは駅員にまだキャンキャン叫んでますが、もはや誰も相手にしてません。
(『わの巻』に続く・・・たぶん、最終話?)











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